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【イノベーター・インタビュー】株式会社ビザスク 日本共同代表 宮崎 雄氏


2020年3月に東証マザーズに上場し、2021年11月にコールマン・リサーチ・グループを112億円で買収。その後もグローバル展開に注目が集まるビザスクの日本共同代表の宮崎 雄氏に、リンクエージェントの担当者がお話を伺った。



 

宮崎 雄氏 プロフィール

2006年にリクルートHRマーケティングに入社し、営業、新商品開発、リクルートホールディングス・リクルートジョブズの経営企画部門の責任者として従事。2019年3月にビザスクに参画、CEO室長とビザスクlite事業部長を兼任し法人向けマーケティングの立ち上げとビザスクliteの成長を推進。2022年3月より法人事業部事業部長。2023年3月より日本共同代表。

 



━━━━御社が位置しているエキスパートネットワークサービス市場(以下、ENS市場)が、国内外を問わず、規模が拡大していると聞いたのですが、ビジネスモデルや、リアルな現状を教えて頂けますか?


企業では、自分が詳しくない領域で新規事業を立案しようと思った時に、専門家に話を聞きたいというニーズがあります。


ビザスクのナレッジプラットフォームには、今世界で190カ国、国内で16万人超、海外で38万人超のエキスパートの方々がご登録いただいており、その中から企業の求める最適なエキスパートをご紹介し、企業から手数料をいただくビジネスモデルです。


ENS市場というマーケットは、日本にはほぼ競合が存在しておらず、ほぼ我々がマーケットを作ってきた認識です。


一方でグローバルに目を向けますと、特にアメリカ、UKを中心に大きなプレイヤーがいますが、ビザスクは世界で一番を目指してグローバル成長に注力しています。

拠点数は7拠点で、日本以外にアメリカ、UK、シンガポール、香港にあります。





━━━━国内に競合企業がほとんどいない企業ということですが、中途入社は、どういった業界の経験者が多いですか?


そうですね、かなり多様な業界から挑戦してくれるメンバーが多いですね。まずバックグラウンドでくくるのが難しいぐらいなんですが、大手メーカー出身者、金融業界、コンサルティングファーム、人材業界とか、かなり多数の業界から来ていただいていますね。


社員の男女比は半々ぐらいですね。20代が45%、30代が45%、40歳以上が10%ぐらいですね。



━━━━では、20代、30代で中途で入社された方のうち、元々御社のこのビザスクという会社のことをご存知だった方って、どれぐらいいらっしゃいましたか。


ほとんどいないんじゃないですか(笑)

国内の事業会社に向けて伸びしろしかないっていう話と繋がってくるんですけども、新規事業の部署だったりすると、かなりビザスクを使う場面は増えてきているんですが、転職活動で初めて知った、いうことも多いですね。


転職活動を通じて初めて知って、面白そうだねっていう風に思って、来ていただく方が多い印象ですね。


ビジネス領域に特化したナレッジシェアプラットフォームを展開(会社紹介資料より)



━━━━マッチングビジネスという意味では人材紹介や人材派遣と類似する点もあるかと思いますが、どういった点でビザスクは競争優位性があるのでしょうか?


メインサービスは我々が仲介するサービスになっていますので、過去のマッチングに関する情報を蓄積していることが競争優位性の1つです。


ずっと我々がこのサービスを 10年近くやっていることで情報が蓄積し、どんどんマッチングの精度自体は良くなっていますし、質とスピードを担保しやすい状況になっています。


もう1点、競争優位性になるのは、エキスパートを紹介するだけでなく、課題の把握や要件定義からどれくらい提案できるサービスになるか、という点だと思っています。


クライアントから、誰に知見を聞いたらよいのか、まだ、ふわっとした状態のままご相談いただくこともあって、言われた通りのエキスパート人材を紹介するだけでは新規事業が動き出すと想定と異なってミスマッチになってしまう可能性もあります。


クライアントが事業において何に困っているかの要件定義から関わって、「こういうエキスパートの方がいいですよ」と提案できるようになれるのかは、サービスの満足度を高めていくうえで、重要な差別化ポイントになってくるんだろうな、とみています。




━━━━では、中途入社の方も含めて、御社で実現できるキャリアパスについてお伺いしたいのですが、入社されてからのキャリアパスはいくつかパターンがありますか。


よくあるパターンは、メインサービスである1時間単位のインタビューのマッチングから入っていただいて、その経験を1、2年経て、チームのマネージメントの方に向かっていくというキャリアパスがあります。


また、これまでの経験によっては、ビザスクのデータベースとか、クライアントから来る課題を理解した上で、次は顧客に提案する仕事をしていきたいので、クライアント営業の方に移るキャリアパスもありますし、別の新規プロダクトに関わりたいと事業開発のポジションに移るキャリアパスもあります。


実際には、そのほかにもたくさんのキャリアパスがあるんですが、前提としては複数回の異動をしていく中で、色々な視点を持ってもらいたいというのはありますので、部署を跨がった異動であったり、同じ部署内だとしても職種が変わったり、みたいなことは多いですね。





━━━━なるほど。たくさんのキャリアパスがあるのは魅力的ですね。個人のキャリアへの向き合う場や取り組みについて教えてください。


会社全体としては、半期に1度レビューシートというものを運用していて、自分がどんな仕事をミッションとしてやるのか、数年後どんなことがしていきたいか、今どんなことを思考しているのかについてコミュニケーションを取っています。


ただそれだけでなく、上長との1on1みたいなところが1番大きい要素かなと思っていて、結構頻繁に本人がやりたいことと、事業で足りないポジションを考えては擦り合わせすることをずっと繰り返している感じではありますね。


例えば、マッチングの業務のチームにいて、ずっと広報がやりたいっていうことを上長へ伝え続けたメンバーが、会社側でその広報のポジションが増やせそうだなっていうタイミングがあって、マッチングして異動したことがあります。擦り合わせ型の異動という感じですね。



━━━━グローバルな業務も多そうですが、実務において英語を使用する機会は多いですか?また海外への異動はありますか?


海外のクライアントを担当している場合は、毎日英語使うことになりますが、国内のクライアントを担当していたとしても、海外のエキスパートの方に話を聞きたいということは多々あります。


グローバルのエキスパートの方を探すチームは別にあるんですが、国内の顧客に海外のエキスパート人材のご提案をしなきゃいけないので、当然、その経歴にどんなことが書かれているのか、どこがどうおすすめポイントなのかを解釈した上でご提案しなければならないので、グローバルな知見をマッチングする時には国内チームでも英語を使う機会はありますね。


また、今すぐに英語が使えなくても、ちょっとずついろんなポジションによって使う頻度が違うので、バリバリ英語を使いたい人向けのポジションもあるし、今は使えないけど、使えるようになりたい人向けのポジションもあります。


本人の希望と募集しているポジションが合致した場合に、海外へ異動するケースはあって、これまでも複数名が海外転勤しています。



オフィスにあるキャンプエリアにて



━━━━オフィスを見させていただいても、かなりこだわりを持っていらっしゃるかと思いますので、次はより御社の魅力が感じられるミッションやバリューについて、お伺いしたいなと思ってます。

御社のCulutureBookに、 「知見と、挑戦をつなぐ」という表現があったんですが、これはどのようなことを意味しているのでしょうか?


この元々「知見」というのは、やっぱその方々が実際に経験されたナレッジなんですよね。「知見」って、単なる「経験」と違って、何らかの事業を成長させるもしくは、課題を解決するために頑張ってこられたものが、結果的に「知見」として溜まっていると思うんですよね。


本人は、将来的に「違う誰かに繋げよう」と思ってやっていなかったと思うんですけども、結果としてはすごく「知見」が溜まってきます。そこに全く違うプレイヤーが新しい挑戦をしようとして、新規事業や既存事業の課題解決をしようと思った時に、「全く予期してなかったその人の知見」が繋がってくるっていうのは、結構ワクワクするなとは思っています。


そして、新規事業や既存事業の課題解決の取り組み自体も「次の知見」になっていくわけですよね。その知見が、また全く違うプレイヤーが出てきた時に繋がってくるみたいな感じで。


元々は誰かに繋ぎたいなって思っているわけではなかったことが「知見」として蓄積されて、あとで新しいイノベーションを生み出す種になったりとかしたら、 すごい嬉しいなと思ったりします。そういった「知見」と「挑戦」が連鎖し続けていくような世界が、僕自身もすごく楽しみです。



さらに、我々がお繋ぎしたエキスパートが手伝ったものが、新しい事業を生み出して、世の中変えている、振り返って線になってるみたいことが、みんなの中でストーリーとして生まれてくる、その循環をさらに加速させるきっかけでいたいなと捉えていますね。




━━━━バリューにとても特徴があると思ったのですが、どのような経緯でできたのでしょうか?


元々は代表の端羽が創業のタイミングに共同創業者と一緒にディスカッションしながら決めたものですが、途中で全社合宿のような機会に社員で集まって、ディスカッションする中で、バリューを1個足したりとか、言い回しを変えたりとか。どんどんブラッシュアップしている状況です。


6番目の「自由を自覚してるか」が合宿でできたもので、それがちょうど30人になった時にできたものですね。


「自由を自覚してるか」については、スタートアップのメンバーからすると当たり前すぎてバリューになかった項目だったのが、大手企業や自治体といった大きな組織から転職してきたメンバーが加わり組織が多様化したことで生まれたバリューですね。



ビザスクのバリュー(会社紹介資料より)



━━━━バリューも固定化されているものではなく常に変化してブラッシュアップいているってことですね。バリューのほかにも、毎月1万円補助の福利厚生や、有給休暇とは別に年1回5連休の自己啓発休暇といった特徴的な制度があると伺っていますが、どのような背景があるのでしょうか?


元々の福利厚生は創業者の端羽自身が家事代行サービスにかなり助けられたというのもあって、1ヶ月に一定の金額を家事代行サービスで使えるという内容でした。家事代行サービスを活用することで、みんなの生産性があがればという福利厚生ですね。


ただ、家事代行に限らず生産性があがるために、使えたらいいよね、ということでリーダーたちが自発的に提案して、福利厚生の用途を増やして、みんなにとってパフォーマンスがあがる状態を作りたいっていうので福利厚生が今の形になりました。


仕事のパフォーマンスをあげるための福利厚生(1万円/月):スポーツジム / 体のメンテナンス / 家事代行 / ベビーシッター / 学習補助から使い道を選択できる 毎月1万円補助


書籍は、学びの機会として、やっぱり書籍から得られることも非常に多いので、積極的に、どんどん買っていくっていう感じですし、買ったものを会社に置いていく文化なんです。


電子書籍ではなく、実際の本で買ってもらって、自分が読み終った後は、他の人の学びになるので、本を置いていくと他の人もいつでも読むことができ、さらに本の感想やおすすめポイントもシェアする という感じです。


基本的には知的好奇心が高いメンバーが集まっているので、その中で得た学びをシェアし合ってます。イベント参加費も同じような感じですね、


自己啓発休暇はシンプルに5日間どこでも休みが取れますという制度で、前後の土日と組み合わせると9連休になります。


やっぱり2日とか3日とかの休みだと、日常から離れることできないですけど10日近く日常から離れると、いろんなことを考えたりとか、新しい気付きが得られたりしますね。


私も今年は自己啓発休暇使って、子供の夏休みとかに合わせて北海道にキャンピングカーで1周するみたいなことができたので、素敵な制度だなと思っています。




━━━━また、リモートワークと出社の割合が大体半々ぐらいと聞いてるんですけれども、半々にしている理由や工夫がお伺いできればなと思います。


半々にしている理由からお話すると、元々コロナの前は基本的には出社だったんですけど、コロナのタイミングは完全リモートになりました。


そのような経緯から学びを得た時にどれが1番最適なのかを社内で話して、リモートと出社のいいところをそれぞれちゃんと残そうというところで、今は半々というところを推奨にしているという形になります。




━━━━なるほど。ありがとうございます。

ここからはビザスクの今後の事業展開について伺いたいのですが、世界の名だたる競合と比較した時、御社の競争優位性は何になるのでしょうか。


グローバルな顧客から見た時の優位性は、日本にマーケットを持ってることが、1つのユニークネスになってくるかと思っています。


日本において知見データベースを持ってる会社は我々のみになりますので、例えば、グローバル企業が日本のことを調べようと思った時、我々の場合であれば、課題のヒアリングからエキスパートのご紹介まで一気通貫してサポートさせていただくことができます。


一方、国内市場の場合は、日本の顧客に対してグローバルのエキスパートの方々を一気通貫でご紹介できるということによって、さらなる日本のクライアントのニーズを掘り起こしていくってことができるんじゃないかなと捉えてます。




━━━━では、昨年のコールマン・リサーチ・グループ(以下、コールマン)の買収を経て、御社の事業の変化感を聞かせてください。


圧倒的にやっぱり変わったところで言うと、コールマンの38万人ぐらいの知見データベースを取り込むことができたことによって、国内のお客様に向けて、 海外のエキスパートを一気通貫でご紹介できるようになったっていうところが、大きな変化ですね。


コールマンも、今まで日本の案件っていうものを、積極的に取ることはしてこなかったんですが、日本で圧倒的に強い知見データベースが手に入ったことによって、海外のお客様に日本の知見データベースをご案内するニーズも生まれてきていて、初速としてもシナジーが生まれていることは実感しています。



━━━━M&Aという切り口の戦略だけではなくて、今後の成長戦略をどのようにお考えかお伺いしてもできますでしょうか。


まず国内のお話からすると、大きく分けると事業会社と金融・コンサルティングファームという2種類 のお客様があります。


事業会社においては、我々が取引いただきたいお客様は、まだ1割もお取引いただけてない状況で伸びしろしかないと思っています。

我々にも一緒にご支援しながら、いかに我々のサービスを使っていただく機会を増やしていく、その前にそもそも我々のサービスを認識していただく必要があると思っています。何か新規事業を推進していく際には、外部の知見を活用することに対して、「当たり前のことだよね」というレベルまで基準を上げていくことで、国内の事業会社に対しては、取引社数も増加し、サービスを利用していただく頻度・金額も、まだまだ拡大できる可能性が高いと思っています。


次に、金融・コンサルティングファームのお客様に関しては既に大きなお取り引きになっている企業様が多いです。

とは言っても、コンサルティングマーケット自体どんどん伸びてきていますので、その拡大するマーケットのお客様から選ばれ続けるような状態を作ることで、その企業様の成長と共に一緒に我々も拡大していきたいなと思っています。




━━━━最後に転職を考えている皆様へメッセージをお願いします。


ビザスクには、かなり多種多様な業界から来ていただいています。我々にご相談いただく内容自体が業界をものすごく跨がった内容であるため、これまでの業界経験を活かすことができます。


また、そもそもの前提として、自分のわからない業界について聞くということがサービス内容で、多種多様な経験をもつチームでやっているため、全ての業界のナレッジと知見に触れることができます。


これまでの業務の知見も活かして、ビザスクの今やっている業務に新しい価値を加えていただいて、一緒に「知見と、挑戦をつなぐ」ということが実現できればと思ってます。




 

リンクエージェントのキャリアアドバイザーから

ビザスクは、多様な業界のビジネス知見を扱っているため、これまでの業界経験が活かしやすい企業であるため、コンサル業界や人材業界に限らず多様な業界から転職して活躍されています。

グローバルに展開し、世界シェア1位を目指す事業に関わることのでき、生産性の高い働き方が実現できる環境があります。

これまでのご経験を活かしつつ、ビザスクへの転職をご希望される方は、リンクエージェントにご相談ください。




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